この記事では、ここ最近になって注目を集めている「家系図」についてまとめています。
一般的に、家系図といえば「血縁関係の相関図」といったイメージがありますが、役割はそれだけにとどまりません。
そこでこの記事では、家系図の意味や役割、家系図を作る理由など、家系図について詳しくまとめてみました。
最後まで読んでいただくことで、家系図に対する見方が変わるはずです。
まずは、家系図の意味、役割から見ていきましょう。
家系図とは?どんな意味、役割があるのか
家系図とは、簡単にいうと「一族の系統」がまとめられたものを指します。
一言で家系図といっても内容は様々で、生没年のほか、財産、職業、所領などが記されることもありました。
本来の役割は、家督相続の継承の血統を表すためですが、最近は「自らのルーツを知るため」など、役割が変わりつつあります。
なぜ、家系図の役割が変わりつつあるのかというと、ひと昔前とは作る理由が変わってきているからです。
そこで次項では、家系図をつくる理由についてみていきましょう。
家系図を作る理由
家系図を作る理由は、主に3つあります。それぞれの概要は、以下のとおりです。
自分のため。ルーツが知りたい
自分のため、ルーツが知りたいという理由は、家系図を作る理由の中で最も多いといわれています。
幼い頃は意識しなかったものの、祖父母や親戚が高齢になり、徐々に亡くなっていくにつれて、自らのルーツが知りたくなるのかもしれません。
また、自分が結婚して家族を持ち、子どもができたときに身内に対する考え方が変わってきたというケースも散見されました。
両親や祖父母への贈り物
自分のルーツが知りたいという理由の次に目立つのが、両親、祖父母へのプレゼントとして家系図を贈りたいというものです。
自らの結婚するときや、両親の結婚記念日、祖父母の誕生日、敬老の日など、何らかの大切な日や記念日に合わせて贈るケースが多いと言えます。
家系図は、この先も代々受け継がれていくものです。家族みんなで眺めることで、すっかり忘れていた懐かしい思い出や、貴重な昔話で盛り上がるといえます。
相続の準備
財産の相続で揉めないために、家系図を準備する人もいます。
財産の相続は、金額の大小に限らず意外と揉めるものです。
また、子どもの方から親に「遺言を書いておいて」とは言いづらい側面もあります。
そのため、家族関係を明確にしておき、相続の話し合いをスムーズにするため家系図を作っておくことがあるのです。
家系図が「今」注目されるワケ
家系図が注目されるようになったことには、いくつかの理由があります。
この項では代表的な3つの理由についてみていきましょう。
古い戸籍の廃棄が始まった
理由の1つ目は、古い戸籍の廃棄が始まったことです。
これには、除籍と改製原戸籍が深く関係しています。それぞれの意味は以下のとおりです。
・除籍:婚姻、離婚、死亡などを理由に元の戸籍から除かれること
・改製原戸籍:法改正前の古い形式の戸籍のこと
これら2つは、法改正まで80年保存される決まりでした。
しかし、2010年に法律が改正され、150年まで保存されることになったのです(参照:戸籍の保存期間)。
150年過ぎると破棄されてしまいますが、実際のところそのまま保存している自治体が多いといわれています。
ここで注目したいのは、保存期間80年のときに除籍している場合、戸籍が破棄されている可能性が高いということです。
そのため、古い戸籍が廃棄される前に、家系図を残しておこう考える人が増えたといわれています。
終活、エンディングノート作成の一環
近年になって、終活という言葉を耳にする機会が増えました。
その中の1つに、エンディングノートがあります。自らがなくなったあと、身の回りの物の処分、手続などで家族に負担を掛けないようにするために遺すものです。
終活のときに家系図を作成する人は、まだそれほど多くはないといわれていますが、家系図は一度作成するとしばらく作り直すことはありません。
そのため、子どもや孫に遺しておきたいと考え、終活やエンディングノート作成の一環として家系図をつくる人がいるようです。
テレビの影響
NHKの人気番組「ファミリーヒストリー」の影響で、家系図が一躍注目を集めたともいわれています。
この番組では著名人をゲストに迎え、本人の代わりに徹底取材をして、ルーツ、家族の絆などを見つめていました。
ゲスト本人が全く知らない事実が次々と明かされることもあり、この番組をきっかけに家系図や家族史の大切さを実感した視聴者が多いようです。
まとめ
家系図は、すべての人が持ち合わせているものです。
家族の歴史がわかるだけでなく、自らのルーツを知ることもできます。
また、今回この記事を執筆するにあたり、よく目にした言葉は「家族の絆が深まった」という声でした。
簡単な家系図であれば、自力で作成することもできます。
ぜひこの機会に、自分の家の家系図を作成してみてはいかがでしょうか。